💧【賃貸不動産経営管理士試験対策】元公務員宅建士が教える！「給水設備」の重要ポイント

こんにちは！元公務員宅建士のひろきちです。

賃貸不動産経営管理士試験の学習、お疲れ様です！設備系科目は手を抜きがちですが、安定して点数を取るための重要分野です。

今回は、日々の生活に不可欠な「給水設備」に焦点を当て、試験で問われやすい核となるポイントを、公務員時代に培った視点も交えながら解説していきます。

1. 給水方式の基本をマスターする

マンションやアパートなどの賃貸住宅において、どのように水を供給するかは非常に重要です。主に以下の3つの給水方式があり、それぞれの特徴をしっかり理解しましょう。

給水方式	特徴	留意点（管理士視点）
直結直圧式	道路の水道管の水圧をそのまま利用して直接給水。低層階（通常2～3階程度まで）に適用可能。	停電時も給水可能。水圧が低いと上の階に水が届かない場合がある。
直結増圧式	道路の水道管に増圧ポンプを接続し、水圧を高めて直接給水。中高層階にも適用可能。	受水槽が不要なため、衛生面や設置スペースに優れる。ポンプの定期的な検査が必要。
受水槽式	一度受水槽に水を引き込み、ポンプで屋上の高置水槽に揚げたり、直接各戸に送水したりする方式。	断水・停電時でも水槽内の水で一定時間給水可能。受水槽の定期的な清掃・点検（1年以内ごとに1回）が義務付けられている（衛生管理の最重要項目！）。

💡 ひろきち’s Check!
受水槽の管理は、衛生管理上の責任が建物の所有者・管理者に発生するため、試験でも頻出です。受水槽の天井、底、周壁は、建物の躯体と兼用できない点も重要です。

賃貸不動産経営管理士として、最も注意すべきは入居者の健康を守る「衛生管理」です。特に簡易専用水道（受水槽の容量が10㎥を超えるもの）の管理については、水道法で以下のように定められています。

給水管の劣化は、赤水の発生や漏水、ひどい場合は断水につながり、入居者満足度を著しく低下させます。

赤水の原因： 主に鉄管（鋼管）の錆（さび）。
劣化対策（改修）：
1. 管の更新（取り替え）： 最も根本的ですが、費用と工期がかかる。
2. ライニング（更生）： 古い管の内側にエポキシ樹脂などで新しい被膜を作る方法。比較的安価で工期も短いが、劣化が激しい管には適用できない。
ウォーターハンマー現象： 給水管内の水流を急に締め切ったとき、水の慣性で管内に衝撃と高水圧が発生する現象。器具の破損や騒音の原因となります。

⚠️ 試験のひっかけポイント
ライニングはあくまで「更生」であり、管自体を新しくする「更新」とは区別して覚えましょう。また、給水管には樹脂ライニング鋼管やステンレス鋼管など、耐食性に優れた材料が使用されます。

最近の建物では、水圧の均一化やメンテナンス性向上のため、特殊な配管方式が採用されています。

さや管ヘッダー方式： 分岐箇所にヘッダーを設け、各給水器具までさや管の中に通した配管（ポリブデン管など）を一本ずつ配管する方式。
- 同時に2か所以上で使用しても水量や水圧の変動が少ないのが特徴です。
- さや管ごと交換できるため、メンテナンスが容易です。

項目	覚えるべきこと
給水方式	3つの方式のメリット・デメリットと適用範囲
受水槽の衛生管理	「1年以内ごとに1回」の清掃・検査義務。躯体兼用は不可。
管の劣化対策	「更新」と「ライニング（更生）」の違い。耐食性に優れた管材。
その他の知識	ウォーターハンマー現象、さや管ヘッダー方式のメリット。